
一寸堂は新年16日から稽古始めとなり、同じ週の1月21日は、東京で新年稽古会が開催されました。
本年の新年稽古会の翌日は、久々に「奥」の稽古会としたのですが、はからずも藤代先生より「奥入」を受けてはどうかとのお言葉を戴きました。
五段を取得してから日も浅いため、少々迷いましたが、岩目地先生からの「奥入」を戴けるまたとない機会ですので、謹んでお受けすることにしました。
「奥入」というのは、各団体で少々違いがあるようですが、原則として師から弟子に送られるもので、協会や各支部団体が規定によって発行するものではありません。塩川先生・岩目地先生の系統では、師が弟子に対して正式に「奥の形」を伝授し、稽古してよいとの許可を与えるものであり、それ故、正式に師弟関係にあることを証するものでもあります。
加えて、「奥」の形を稽古するということは、口伝である五夢想の形(俗に「秘伝」と称される)以外の全ての形を稽古することができるということでもあり、杖術を稽古する者にとっては、大きな目標の一つと言えます。
無論、奥入を受けたからと言って、術が完成するわけでもありませんので、今後一層の稽古をしなければならないことに変わりはないのですが、入門して15年、なんとかここまで続けることができたと感慨もひとしおです。
当日は、私と東京都杖道連盟お茶の水場所(千代田神杖会)の場所長を務めておられる高柳さんが、岩目地先生より直接「奥入書」を拝受しました。
その後、既に奥入りされている先輩たちとの稽古です。
最初に、私と高柳さんで影と五月雨を何本か演武することとなりました。
これは、岩目地先生のご指示があったからなのですが、理由を伺ったところ、影や五月雨は今後「気息」の修練を中心に行いたいので、現状どのように稽古しているかを見たかったとのことでした。
やはり、相当注意しないと「表」や「中段」と同じような演武になってしまうようです。
今後は形によってはスピードよりも呼吸と間を重視するべきかと感じています。
それらの解説を終えて、いよいよ「奥」の形の稽古となりました。
私の相手は、いつも松本まで指導に来て戴いている、五段の岡田さんにお願いしました。
奥の形は、形によって非常にシンプルで、勝つための精神論(?)を表しているようなものもありますが、個人的には杖を自由に使うという意味で、非常に感じることが多いものばかりでした。
また、いままでの形の中で考えていた動きとは、全く別の動きが要求されるものもあり、まさにこれを終えて「太刀落」に返ることが求められているということが、納得できたような気がしました。
時間にして六時間弱程度の稽古時間でしたが、非常に興味をもって終えることが出来ました。
さすがに、「奥」だけは奥入りが許されたものでしか稽古が出来ませんし、以前は相手がいたとしても、通常の稽古中に稽古することも許されないといった不文律があったようですが、今後はできるだけ稽古の機会を増やしていきたいと思います。
いつか、一寸堂でも奥を稽古することが出来る日を迎えたいですね。
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昔から伝わってきているこういった制度を自分が受けることには感慨深いものがありますね。
奥の稽古をした後に飲みながら奥について色々語り合うのも楽しそうですよね(^o^)