今年はちっとも暖かくなりません。
例年でしたら、そろそろ雪もなくなる頃なのですが。
本日はWさんとMさん、Yさんが参加してくれています。
当方風邪を引いて胴衣に着替えることがなかったため、基本的に自主稽古にしてもらおうと思いましたが、人数も3人であったため、結局太刀をもって指導することとなりました。
Wさんは昇段に向けて調子を上げて行かなくてはなりません。
Mさんとの相対も大夫板についてきました。
まだ少し固さが抜けません。
Yさんはとにかく稽古量を増やすことです。
相対の基本的な動きは、そんなに出来ていないわけではありません。
今は理屈よりも身体を慣れさせた方が良いように思います。
さて、形は「右貫」について少し注意点を確認しました。
先週の稽古中、杖が逆手打ちから下がって太刀の右腕を押さえるところで、杖が逃げてはいけないという点を検証したのですが、妙に間が詰まってしまった感じを受けました。
藤代先生に確認したところ、それは太刀が相手の下がるのを追いかけて切りに行くためと指摘され、なるほどその通りでした。
どうしても、形の中では相手の次の動きを知っているため、「今」の相手を攻撃する動きがおかしくなってしまいがちです。
これは、形稽古において最も注意すべき点かも知れません。
次に、この腕を押さえる動作。
足を千鳥にして杖を引き、相手が切ってきた瞬間に右手を返してバトンのように杖を回転させます。
しかし、ただバトンのように回転させたのでは効かない。
最後に左手で杖尻を瞬時に握り、相手の腕を打つ、又は落とす形にしなくてはなりません。
これは大変難しい。
上段者はこの技術が別の所でも出てくることに気がつかれることでしょう。
また、太刀でも同じような技術を要求されている箇所があるのではないかと思います。
ですから、「表」の形といっても、そこに気がつくと到底「出来ている」などとは言えません。
また、後で教わる形よりも「表」の形が易しいなどとは、私には到底思えないわけです。
曲がりなりにも指導する者として恥ずかしいことですが、私もまだ到底この「右貫」の打ちが出来ているとは言えません。
いたずらに段位を重ねる前に、まだまだやらねばならないことはたくさんありますし、未だ気がついていないこともあるでしょう。
若くして稽古している人達が羨ましくなります。
さて、少し話が細かくなりましたが、その後は「笠の下」と「一礼」となりました。
「笠の下」は、まだ皆さん杖を効かせる部分が弱く、形だけになっている部分が多い。
また、初太刀が難しいので、これもしっかり身体を捌いて切ることが出来るよう、数稽古が必要です。
敵の側面をすり抜けて転身するさいの動作。
膝を揃えて軸をブレさせずに回転する技術を身につけて欲しいと思います。
「一礼」において、演武線のズレが問題になりました。
基本的に攻撃しながら、又は単に敵から間を切るため後に下がるときは、相手に対面した形で真っ直ぐ下がるのが普通です。
ですから、太刀の攻撃の時に杖が身体を捌いて受けていれば、この時点で対面しようと下がれば演武線は斜めにずれるのが普通です。
ただ、演武線に戻ろうとして下がるのはあまり意味がありません。
しかし、Wさんの場合「一礼」の体外打ちの前の部分で、太刀が上段から切り落とす際、杖に小手を制されて後に下がるのですが、ここで太刀が杖を避けようと左後方に下がってしまいます。
太刀に切る気があれば、このような下がり方にはなりませんので、そこは注意してもらいます。
実際には、間合いを切るときに敵と対面している軸線をずらすことも有効ではないかと思いますが、それはそれということで。
いよいよ、次回は「一礼」から「寝屋の内」「細道」となって、「表」も一通りが終わります。
Wさんは昇段、MさんとYさんは「中段」の詰めに入らなくてはなりません。
とはいえ、また4月から新しい参加者が増えてくれれば、「水月」から再度スタートです。
忙しいですが、やはり春は待ち遠しいものですね。
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