先週は、お盆のため学生の皆さんも帰省されるとのことでお休みとしました。
お盆中は、意外と涼しく夜もぐっすり眠れたので嬉しかったのですが、お盆が終わると、あっという間に秋になって日が短くなるような気がします。
秋は好きなのですが、日が短くなっていくのはなんだか物寂しいものです。
ですが、稽古にはまた良い季節が巡ってきます。
行事も目白押しですし、皆さんの昇段のみならず自分の稽古も充実させていきたいところ。
そんな、本日はまだまだ残暑が厳しいですがWさんとMさんが参加。
更に、Kさんが上田からわざわざやって来てくれました。
半年ぶり(?)でしょうか、いろいろとお忙しいようです。
せっかくですので私はKさんの稽古を見ることにして、WさんとMさんには相対から表の方まで通してもらうことにしました。
さて、Kさん相対からですが、思ったよりブンランクを感じさせません。
打ちの角度などは、なかなか良い感じです。
むろん、スムースな身体動作ができているとまでは言い難いですが、かなり以前のレベルを維持しています。
どうやら、一人でそれなりに稽古をしていたようです。
今はどちらかというと、細かいところより稽古量を増やさなくてはなりませんので、なかなかつらい環境だとは思います。
しかし、杖を振ってさえいれば、相手がいなくてもそれなりに身体が杖になじむものですので、根気よく続けてほしいと思っています。
さて、形をどこまで教えたのかすっかり忘れてしまいましたが、2級の審査形までは杖を教えたとのこと。
もう少しで、1級の審査形を教えるところでしたが、Mさんの指摘でようやく思い出しました。
まず、「右貫」、「霞」、「笠の下」を復習。
どの形も、さすがに順番は覚えているようですが、「右貫」についてはまだまだ身体が動いていません。
やはり、太刀を持ってもらって稽古しないといけない部分です。
やや、突き留めの形が押し込まれていますが、原因は手幅と相手に対する角度にありそうです。
きちんとした体制で、相手に向かえるように正確な手幅で入る癖を付けなくてはなりません。
右貫は、どこをとっても難しいので、まずは全体の動きになれることと、正確な間合いで「攻める」感覚をつけてもらうことが第一と考えます。
その意味で、必要な点のみを指導しました。
次は「霞」
課題は左の「繰付け」
まだ、右・左と手を動かすことができていませんので、繰付けがあまり効いていません。
やや、杖が先行する点はよいのですが、身体を移動させる際の力が使えていません。
その割に「霞」でもっとも問題となる「間合い」は悪くありませんでした。
「笠の下」
形はそこそこなのですが、全体に攻めが足りません。
もう少し、相手の動きを止めるような攻めが必要でしょう。
さて、形を簡単にさらったところで、同じ形の太刀に進むことにしました。
太刀については、WさんMさんにも共通する点がありますので、隣で稽古している彼らを見ながら、太刀を教えます。
無論、まだ形だけなのですが、切っ先を意識するよう、しっかり斬るつもりで振るように指示します。
となりでMさんが「一礼」の太刀を持っていましたが、どうしても斬る勢いがなくなり、切っ先が飛ばなくなってしまいます。
届かせはいますが、刃が相手に当たるだけの太刀です。
よく見ると、手元が先に動いて刃が後からついていくのがわかります。
相手に刃を密着させて、引き斬りする場合はよいのかもしれませんが、やはり実際にそのような動きでは斬ることは難しいでしょう。
その点を全員に指摘して、さらにKさんには「霞」の太刀。
まずは、最初に打たれてからの八相。
くるんと太刀を振り回して八相になると、構えた太刀が外を向いてしまいます。
ポイントは、自分の側面まで振ったら後ろに下がりながら真っ直ぐ耳元に引き寄せる動作を行うことです。
こうすることで身体の軸ブレも防止できますし、間合いのきりすぎることも相手を斬る距離で下がる意識を持つことができます
最後までしっかり引きあげるのなら、恐らく「一刀」のような形をとることになるでしょうか。
以降の太刀は、切っ先をとばして届かすことができるかどうかに尽きます。
最後は「笠の下」の太刀。
最初の太刀が難しい。
まずは、しっかりと杖の線上から身体を捌いて斬りにいくこと。
この時、動く前に上段に振りかぶってから斬りにいくと、おそらく杖に顔面等を突かれます。
太刀を正眼のままに、ギリギリまで杖を攻め、間合いに入った直前に上段になるのと同時に身体を捌いて斬りにいく。
このときも、上段に振り上げた太刀を握る手は、自分の顔面より前になくてはいけないと思います。
私の場合は、右手が自分の額の上くらいになるように振り上げるよう意識していますが、往々にして振り上げすぎてしまうこともあります。
他の形の太刀でも、問題となる点ですが、特に「笠の下」の太刀は難しいかもしれません。
ここでKさんとWさんを組ませて、Mさんと「中段」のおさらい。
ちょうど、先週土曜日に東京の稽古会に出られましたので、その時、藤代先生から指導された点を確認したいとのこと。
一つは「中段繰付け」
あまり細かく動きを考えすぎると迷路に入ります。
それも、お約束なのですが、Mさんは形がきちんとしているので、相手をしっかり攻めて崩すことと、相手の動きを見ながら繰りつけることのみを注意するよう助言しました。
同じことは、「待車」左の繰付けにもいえます。
左肘をはって横に引っ張る癖はなくなったようです。
ただ、太刀を上げたときに相手と一直線になるように自分が動いてしまう癖が若干あります。
あくまでも、太刀を上げて目を攻めたとき、相手とは斜めの角度に対峙しているはずで、その後、左足・右足と足を進めて太刀を擦り上げながら、正面から対峙する位置に動きます。
次は「横切留」
最初の構えからの打ちですが、藤代先生が多少スナップをきかせて打つようにしていたとのことで、Mさんも意識してか杖が回ってしまいました。
やはり、杖の先が回ってしまい、正確に相手の鼻柱に杖先がこないと相手は怖くなくなってしまいます。
威力を高めるのであれば、左手をしっかり握って落とす感覚のほうがよいのではないかとアドバイスしましたが、またこの点は先生方に確認してみようと思います。
その後、大急ぎで掛かりを各3本ほど。
Wさんは、動作の合間合間に力を抜くことを意識させると、かなり良くなってきました。
私が言わなくても、自分で意識できるようなるまであと少しと思います。
あと、一ヶ月ほどで昇段審査の予定ですので、このまま感覚を養ってほしいところです。
Kさんも、なんとか3月までには2級に上がってもらいたいところ。
大変ですが、可能な限り稽古に参加してください。
スポンサーサイト
コメントの投稿