22日の夜は、ささやかな懇親会を行い、松本駅前にあるイタリアンレストランで歓談しました。
足の具合の悪いWさんは少し飲み足りなそうでしたが、皆さん明日の稽古のこともあり、おとなしめで退散。
翌23日は久しぶりの大雨となりました。
場所も松本駅から、車で40分ほど離れた体育館ですので、朝8時過ぎに集合。
この時点で、Wさんはやはり足の具合が悪いということで休んでもらうこととします。
さて、体育館に移動してみると、なんと、上田市からKさんもやってきてくれました。
片道1時間半はかかるところ、ご苦労様です。
そこでまず、2段を受けるMさんとYさんについては、昨日できなかった中段を、もっぱらF先生に指導してもらうこととしました。
やはり、別の指導者からの視点というのは必要で、普段の稽古で見逃してしまっていることも指摘されるので、勉強になると思います。
Kさんは、東京の女性のKさんと組んで2級の審査形を稽古してもらうことにして、私はそちらを主に指導することにします。
まず、Kさんの動きの中で、首を上下に振ってしまう癖がありますので、これを今日は徹底的に直してもらいました。
本人も意識している動きではないため、直すと言っても難しいのですが、試しに臍下丹田(下腹)を中心に動きなさいとアドバイスしてみました。
恐らくですが、重心が非常に高いのだとおもいます。
意識の問題としても、胸あたりに重心を感じてしまっているのではないか、そのために上半身が一体と動いている感じがなく、腕の動きの後に首が振られてしまうのでしょう。
どうやら、予想は的中したらしく、とたんに首の動きは収まりました。
しかし、長年の癖ですから、気を抜くとすぐに癖が戻ってしまいます。
もう一つの悪い癖として、太刀を持ったときに自分の体勢を崩すほど余分に動く点があります。
これは、相手を見ていないため、相手の動きにあわせて、ただやられてしまっているからです。
太刀としても、体制を整えて次の攻撃につながなくてはなりませんので、やられてしまってはいけないのですが、最初の問題点も関係していると思われます。
ですので、相手をしっかり見て、常に下腹に重心を感じるよう、またそのような体制をとれるように動くように指示してみました。
細かいところはさておき、形を進める内に大夫よくなったようです。
なにより、東京のKさんと間合いの相性が良いらしく、こちらが「あれ?」と思うほどぴったり間合いが決まることがあります。
F先生にも確認したところ、上記のような問題点はあるけれど、2級ならば問題ないのでは、ということでしたので、かなり詰め込んだ感じはありますが、近々2級を受けてもらうことにしました。
10月8日までは通常稽古に参加できるそうなので、遅くともそこで2級の審査を受けてもらうつもりです。
3級に上がってから、実質3ヶ月は稽古をしていますし、かえってこの1ヶ月ほど詰めたのが良かったようです。
やはり、どこかの時点で集中しないと、すっと伸びることがありません。
おおよその形が終わったところで、時間を見計らって審査形式で演武してもらうことにしました。
杖等の持ち方から始まって、コートへの入り方、礼の仕方等々をざっと説明して、演武してもらいます。
まずは、2級のKさん。
無論お相手は、東京のKさん。
演武となったら、案の定緊張のためか、悪い癖が少しで始めています。
ただ、全体を通しては間合いもよく、2級としては申し分ありません。
これならば、次回の昇段審査にあわせて昇級審査を受けさせてもよいな、と感じました。
次に2段のお二人。
さすがに2段ですので、一応の形にはなっていますが、かといって2段ですのでそれで良いというわけでもありません
二人とも、やはり力が入ってしまっています。
ここで、「緊張感」と「力む」は全く違うことが分かります。
「力む」と動きがぎこちなくなって、太刀の斬り方も、杖の効かせ方もとても形式的に見えてしまいます。
「緊張感」、つまり相手の攻撃に集中すると、太刀は相手を斬るように、杖は相手に斬られないように、太刀を制するように動くだけです。
無論双方緊張感を持つべきですが、やはり太刀の攻撃に迫力があって、「斬られる」「怪我をする」といった危機感が杖に生じないと、双方の緊張感が生まれません。
ただ、どうしても人によっては、緊張感のある攻撃=力強い攻撃ととらえてしまいます。
その結果として、なぜか力強い攻撃ではなくて「力んだ」攻撃になってしまいがち。
その辺が、本番で克服できるか、どうかですね。
終わってみればあっという間でしたが、東京会員との合同稽古も無事終わりました。
やはり、普段稽古しない人達との稽古は、良い経験となったようです。
できれば、年に2度くらいは、このような稽古会ができたらと思います。
東京の会員の方も、懲りずに又是非おいで下さい。
いよいよ昇段審査当日となりました。
会場は、先週の合同稽古を行った柔剣道場の柔道場です。
Kさんも来てくれましたので、これは今日2級を受けてもらうほかありません。
いきなり昇級審査決定。
Kさんも、驚いてはいるものの、まんざらではなさそうです。
Yさんはお仕事で遅くなりますので、先に三人で稽古開始です。
相対を始めたところ、急にWさんが声を上げました。
本日は畳敷ですので、畳と畳の境目にでも指をとられたのかと尋ねたところ、そうではなく、前に進むときに滑りが悪いので足の親指が引っかかって巻き込んでしまったとのこと。
本人は、畳は慣れていないので今日は気をつけないといけないと言っていますが、そもそも畳であれ床面であれ、親指が巻き込まれるような歩法そのものがおかしい。
だいたい、本来の戦いの場では足下がどうなっているかなど決まっているわけではないですし、屋外戦の場合、殆どは足場が悪いはずです。
極論を持ち出すつもりはありませんが、やはり指が引っかかるということは、つま先が下を向いているわけで、重心移動の点からも疑問があります。
見れば、Wさんは歩を進めた後も、柔らかい畳に足を取られて重心が定まりません。
足のつま先が畳をひっかくように無意識に動いているところから分かります。
基本的な歩法では、つま先を上げて、親指の付根を床にするようにしながら歩を進める事になっていると思います。
こうすることで、指は引っかかりませんし、進めた足の親指の付け根に重心を移し、さらに踵をつけることで、やわらかな地面であっても重心が安定しやすくなるのです。
下手をすると、怪我をしますので、そもそもつま先が下に下がった歩法は危険であるということと、上記の点を説明しました。
そういった意味では、畳の上での稽古は、返って良かったかもしれません。
Wさんも、最初はかなり警戒して歩を進めていましたが、そのうちに自然となれてきたようです。
Mさん、Wさん、Kさんの三人で表の形を、先週指導された点を中心にして稽古することにしました。
途中からYさんもいらっしゃったので、4人で確認しながら稽古します。
Wさんは、東京でも基本に忠実なOさんに見てもらったせいか、随分よくなっています。
特にWさんのよいところは、その「気合い」です。
一つ間違えると、力みの原因になってしまいますが、この点は他の人にも見習ってほしいところです。
動きの統一性という意味では、やはりMさんということになります。
やや腰が高いですが、これは稽古する内によくなるでしょう。
2段審査としては、もっと相手に対して圧力をかける技・術の使い方ができるようになれば満点です。
Kさんは、動きはまだまですが、構えたときの雰囲気、特に太刀を持ったときに独特の雰囲気があります。
これは術の上手に通じるかどうか分からないのですが、ないよりはあったほうがよいですし、もしかすると術にも通じるのかもしれません。
まだいらっしゃっていませんが、Yさんも、この1年ほどで基本的な動きは大夫よくなりました。
ただ、まだ杖になれていないので、自分のリーチの長さを生かした使い方ができていません。
それができるようになると、ダイナミックな杖ができるようになるのではないかと思われます。
ひととおり終わったところで、昇段審査を受ける方々について本日の審査形を決めました。
一応、各人が選んできた形がありますので、それを参考に2本指定します。
そんなに意地悪をしたつもりはありませんが、2段の二人には、やや難度の高い「真進」を入れてみました。
さて、ここからMさんとYさん、WさんとKさんと組んでもらって、今日の審査形を
稽古してもらいます。
時間としては1時間ほどしかありませんので、とにかく形を回してもらいました。
そのうちに審査員のK先生もいらっしゃったので、当方は書類を準備します。
先週も稽古していますので、本日の稽古量は少なめですが、充分と思われました。
時間を見計らって、審査開始です。
全員揃って、先生に挨拶。
簡単にお言葉を戴いてから、2級の審査からスタートです。
Kさんの太刀持ちはYさんにお願いしてあります
やはり、首を振る癖が少し出てしまっていますが、全体として悪い動きではありません。
あと、やや気合いが足りないでしょうか。
この点は、今後直していくとして、一応及第点だったと思われます。
次にWさん。
太刀はMさんです。
どうしても力が入ってしまいますが、以前と比べたら段違いです。
後ろ足を伸ばして踵を付けることも意識はしているようですが、気合いが入りすぎると足幅が広くなって、踵が浮いてしまいます。
足幅が広いこと自体は悪くありませんので、これも今後の課題。
気合いは充分でした。
初段としてはよいのではないのでしょうか。
いよいよ2段のお二人です。
先週よりはよいのですが、やや力が入っているのと、合わせている感じが強くなってしまっています。
まだ、お互いに真剣に攻撃できるまで稽古ができていないのでしょう。
しかし、そんなことは関係ありません。
きちんと攻撃すれば、相手も対応できるはずです。
やはり、「真進」では間合いがやや遠くなりました。
また、Yさんの太刀がガチガチになってしまいましたが、まあ当日決めた形ですので、やむを得ない面もあります。
2段になってから、本当の2段の実力を付けるために稽古するわけですから、及第として良いのではないかと思いました。
無論判断は、K先生が下しましたが、4人とも合格とのこと。
Wさんはここまで3年かかりましたが、よく頑張ってくれました。
Mさん、Yさんはそれぞれ課題を残していますが、次は「乱合」の大小2本のみを2年間稽古しなくてはなりません。
その中で、表中段を更に稽古してほしいと思います
Kさんは、まだまだこれからですが、徐々に癖が直ってきていますので、これらの癖を是正して、来年は初段をとってもらいたいと思います。
私も、ようやく一段落つけました。
とはいえ、来週からは全員新しい形を教えなければなりません。
一つ終わって一つ始まるのは・・・・でも、いいことですね。
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