10月14日に、東京で全日本杖道連盟の杖道大会が行われました。
今回は、当道場よりMさん、Wさん、Kさんの3人が出場してくれました。
おかさまで、何年ぶりかで団体戦にも参戦することができます。
なんとか、一勝でもしたいところ。
それぞれ、昇段審査に向けて稽古してきているので調子は上がっているはずです。
大会開始後、すぐに段外(級位)の試合が始まりました。
Kさんと、Wさんが参加です。
まずは、Kさんの試合。
水月・太刀落・着杖の3本を選びました。
試合の難しいところは、気合いや勢いという点も重視されますので、ただ丁寧にやれば勝てるというものではない店です。
そういった意味で、ややKさん気合いが小さい。
また、引落打ちがやや小さく、相手を攻め込むところが弱い。
ですが、何とか初戦は突破しました。
次にWさん。
水月・太刀落・左貫を選択。
気合いはとても良い感じです。
ただ、そのために力が入って、身体動作がやや固い。
やや、攻めるときの伸びに欠けます。
とはいっても、良いできだと思ったのですが、残念ながら初戦敗退となってしまいました。
この辺が、形試合の難しいところです。
Kさんは第2試合目
先ほどよりも、多少緊張もとれて、私の目からすると良いできだったのですが、
それ以上に相手が安定していたようです。
残念ながら、ここで敗退。
Kさんも、まだまだ上半身のブレがありますので、どうしても他の安定している選手と並んでしまうと、その点が目立ってしまうのかもしれません。
この時の相手は、ある意味段外の部3年目のベテランですから、一日の長があります。
これは稽古量の差といっても過言ではありません
Kさん、私が思うよりも大変悔しがっていました。
悔しがるというのもよいことです。
ただ、単に悔しがっているだけでは進歩はありません。
どこが自分に足りなかったか、どうすればよいかを自分で考えなくてはなりませんし、
また、それを感じなくてはなりません。
全国のレベルも高くなっていますので、KさんWさんとも、それを実感してくれればよいのですが。
結局、段外の部は、山口県の選手が勝ち上がっていました。
やはり、形式的なミスがありませんね。
さて、いよいよ初・二段の部
昨年、惜しくも準優勝のMさんの出番です。
形は、太刀落、右貫、霞を選択。
後ろ2本はなかなか難しい形です。
太刀の技量にもよってしまいますので、こちらも責任重大。
しかも、他の人からの太刀を頼まれていることもあって、
競技コートに入ってからMさんの形がなんだったのか、はっきりしなくなってしまいました。
まあ、構えを見れば分かるだろうということで、いろいろ考えず。
Mさんは、太刀持ちが気合いを入れると、誘われて気合いが入るタイプですので、本気モードで掛かることにします。
Mさんのよいところは、こういった試合に出ても固くならないところでしょうか。
本人はそれでも緊張しているとのことですが、ほぼいつもの稽古と変わらない動きができるのは、たいしたものです。
右貫の最初の入り、次の逆手打ちなど、こちらが手を抜くと頭を打たれてしまうほどです。
こちらも、マックスとはいいませんが、避け損ねれば当てるつもりで太刀を振っていますので、双方緊張感がみなぎります。
結果的にそれがよい方向に出ているようで、順調に勝ち上がり、気がつくと東京の強豪を破って決勝戦に進むことになりました。
決勝戦は、3段への昇段審査を控えた東京のTさん。
技の切れや姿勢がよく、これまた手強い相手です。
決勝戦は、個人戦・団体戦の試合を終えた最後に行われますので、ここでいったん終了。
次は、三・四段の部で私の出番です。
ところが、いつも太刀持ちをお願いしている人達がつかまりません。
やむなく、東京のOさんに急遽太刀持ちをお願いします。
形は、寝屋の内、一刀、乱留。
前2本は、あえて、あまり試合で試技しない形を選びました。
が、寝屋の内について、このところ動きというか、利合いに迷いがあったためか、切れが今ひとつです。
何とか初戦は勝ちましたが、2試合目で去年も負けている山口のNさんに敗退しました。
このところ、相手をよく見るという点を重視した稽古をしているのですが、技のスピード、切れといった視点が弱かったようです。
あらためて稽古しなくてはなりません。
本当は、山口のもう一人のNさんとお手合わせしたかったのですが、ふがいない結果で申し訳ない気持ちです。
さて、ここでしばらく落ち込んでゆっくり休みたいところだったのですが、五・六段の部で東京のYさんから太刀持ちを頼まれてしまいました。
ちょうど、その他の方々が空いていなかったようです。
ここのところ、試合でお相手しているのが多かったということもあるのかもしれませんが、Yさんのレベルなら太刀持ちが誰であろうと構わないのでしょう。
まあ、いいですよと引き受けたところ、形は真進・横切留・乱合大太刀!!
どれも長い上に、激しい形です。
このようなチョイスをするあたり、さすがといえばさすが、鬼と言えば鬼なのですが、いかにもYさんらしい。
覚悟するしかありません。
当然ですが、Yさんもトントン勝ち上がります。
太刀持ちとしても、持った相手が勝ち上がるのは嬉しいのですが、こちらの体力・気力の消耗もそれに比例します。
もうこれは、私の太刀の稽古でしかありません。
が、容赦なく斬りにいける点、やっていてこちらも楽しい
結果として、決勝進出となりました。
昼食を挟んで、I先生とT先生の師範演武が行われ、いよいよ午後の団体戦。
当道場の、Kさん、Wさん、Mさんで臨みます。
初戦の相手は、東京お茶の水道場の面々。
段位から言えば、当然相手が勝ってあたりまえなのですが、当道場の皆さんも、それなりに仕上がっていますので、私としては楽しみです。
先鋒はKさん。
相手は、昇段を控えたYさん。
ところが、Yさん、急に動きが良くなっており、まわりがびっくりするくらいの仕上がりです。
個人戦でも3位決定選に進むなど、絶好調。
しかも昇段前の初段なのですから、実力差もいかんともしがたい。
Kさん敗退です。
中堅はWさんです。
お相手は、これも三段への昇段審査を控えたOさん。
Oさんも気合いが乗っています。
しかも、Wさん力が入ったためか、太刀落の突きで右手を上げて、槍のように突いてしまうという悪い癖が出てしまいました。
Wさんも敗退。
ここで、団体戦は初戦敗退が決まったのですが、やはり全て負けるわけにはいきません。
大将戦は、お茶の水場所長のTさんと、Mさんの戦い。
私は、Mさんの太刀持ちをしているので相手の出来が分からないのですが、かなりの接戦だったと思います。
結果は・・・・
なんとか一矢報いました。
残念ながら、団体戦もここで終わってしまいましたが、この経験が後で生きてくると思います。
できれば、来年もこのメンバーで臨みたいですね。
さて、いよいよ大会も終わりに近づき、クライマックスの決勝戦です。
私は、Mさんと東京のYさんの太刀持ちとして出場しなくてはなりません。
まずは、Mさん。
相手の動きは分かりませんが、太刀持ちとしては全力で斬るだけです。
きちんと斬ってあげたほうが、相手も動きやすい。
Mさんも、気迫がでてきています。
特に、右貫が良かった。
これも、かなりの接戦だったのではないでしょうか。
Mさん優勝です。
これは教えたものとしても、太刀を持ったものとしても嬉しい。
みんなの励みになる結果を出してくれました。
医学生という身ながら、皆勤賞で稽古を続けていたことの結果でもあります。
無論技量もあるのですが、やはり、稽古量というのは結果に表れるものだなと実感しました。
Kさん、Wさん、それぞれ事情がありますから、仕方がないのですが、やはり稽古するしかないということを自覚してほしいと思います。
次に三・四段の決勝戦。
山口のNさんが優勝です。
来年こそは、同じく決勝戦で争いたいものです。
そして、最後は五・六段の部
対するは、東京でもメキメキ実力を付けている船橋場所長のMさんと、安定した試技に定評のある番町場所長のYさん。
Mさん、年はまだ若いですが、実力は相当のものです。
年齢制限がなければとっくに六段に昇段になっているべき人物。
二人とも、皆が認める実力者ですから、この戦いは見物です。
まあ、私は太刀持ちなので、戦いを見ることはできませんが、これはこれで光栄なこと。
個人戦の終了時には、風邪も手伝って体力限界でしたが、少し休めたおかげで身体は動いています。
さあ、決勝戦。
あまりよく覚えていないのですが、かなり自由な気合いのもと、最後まで攻めきったつもりです。
見ていた人の話では、途中やや間合いが足りない部分があったようですが、ノリノリだったとのこと。
最後の乱合は、皆の注目を一身に集めて終わりました。
ということで、Yさんも優勝。
息を切らした甲斐がありました。
こうして、本年度の大会も無事終了しました。
個人的には、大会そのものよりも事務仕事が終わったことの方が嬉しい。
しかしながら、今回の大会でもいろいろと得るものがありました。
それ以上に、当道場の選手の方々は得るものがあったはずです。
試合の結果は、ある意味それ以上の意味はありません。
少なくとも試合で勝つことが目標ではありません。
勝った人も負けた人も、重要なのはこれからの稽古なのです。
この経験を糧に、また稽古を続けたいと思います。
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