本年も極寒の季節が到来しております。
Yさんはじめ、皆さんいろいろ重ね着して重装備。
冬の稽古のつらいところではありますが、実際の捕縛でも冬は大変だったことでしょう。
体が冷えては戦えませんから、間違いなく重ね着していたと思います。
というわけで、当道場ではダウン着ても、手袋しても、靴はいても良いことにしています。
よく考えると、冬に甲冑などの鉄製品を身につけるのは相当体温を奪われたことでしょう。
直接肌に触れると凍傷の恐れもありますし。
現代の道場稽古が、いかに趣味の世界であるかを思い知らされます。
さて、本年は6日に初稽古を行いました。
本日は2度目の稽古。
Yさん、Mさん、そして昨年12月に入会したHさん。
Hさんはまじめに4本の基本稽古を一人で黙々とこなしています。
これも感じることですが、今までの会員の方々を見ていると、一人で稽古できる人はきちんと上達するような気がします。
また、基本についていつも考えている人も同じです。
杖の面白いところでもあり、難しいところは「基本」の4本が一番難しいということでしょうか。
稽古では、最近東京の稽古で考えさせられる点を発見し、さらに疑問が解消した点、新たな疑問が生じた点を二段の二人に指導しながら自分の中で再構築しました。
もっとも大きな点は「笠の下」など、相手が切りに対する入り身の間合い。
身体を離すのか、近づけるのか。
間合いを遠くして(つまり杖の長さを使って)入ると、やや窮屈ながら太刀の刃の間合いには入ってしまいます。
体を密着させると、刃の間合いには入りませんが、実際には柄で頭を攻撃される間合いに入ります。
切りにくいという意味では、身体を密着させるほうがよい。
しかし、遠い間合いで相手にあえて斬らせることにより、次の動作(相手への攻め)をやり易くするということも考えられるので、どちらもあり得るといえます。
個人的には太刀を窮屈にさせるほうが好きなので、ここは間合いを詰める形で指導することとしましたが、再度検討は必要かと思います。
特に最近は、様々な「理合い」が肯定された結果、指導において重視するポイントが難しくなっています。
段階によって変わってくるのはある程度仕方がないのですが、指導者の解釈によるバラつきが大きくなってくると稽古している人たちは混乱しますし、指導者に対する不信感も出てしまう。
さらに、指導者の中でも時間を経ると変化することがありますので、根本的には解決できないのかもしれませんが、ある意味でいろんな「理合い」があるのであれば、一定レベルまでは統一するべきだと改めて感じています。
一つ間違うと、指導者間の対立にもなりかねません。
これは、形稽古の宿命ともいえます。
私としては、解釈が異なったとしてもなるべく混乱しないように指導しているつもりではありますが、大きく変わったところはそういう訳にもいきません。
二段クラスまでは、まだ複数の理合いで身体を動かせと言っても難しいと思いますが、意識の持ち方一つで変えることができる部分もありますので、なるべくその中で伝えていけたらと思っています。
この日は、最後にHさんへ「着杖」を覚えてもらいました。
少しペースは遅いのですが、ここはこちらも我慢のしどころで、ぐっと抑えて今日はここまで。
今年も、あせらずにきちんと基礎を積み重ねることができるよう、自分の稽古も含めて確認していきたいと思います。
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